おはしょりがある理由

こんにちは、着付け家庭教師の舞です。

着物が難しい!って思う原因の

第1位って「おはしょり」があるからだと私は思うんですよね。

ご存知かと思いますが
女性にはおはしょりがあって
男性にはありません。

パッと履いてパッと着てはいっ!終わり!の
洋服が普段着の私たちにとっては

何本もの紐やら伊達締めやらで留めて

おはしょり作って着物の形を整えて帯を巻いて…って

中々複雑に難しく感じてしまいます。

そんな厄介者のおはしょりが出来た理由には

実はいくつかストーリーがあるんです。

一番有力なのは

平安時代まで遡ります。

平安時代の貴族女子は
自分の身長よりも長い十二単を着ていました。

丈の長い着物の歴史はそこからスタートして

武士が権力を持った時代に武家女子がこぞって

「私も貴族の女の子みたいに長い着物をズリズリして歩きたーい!」

と貴族女子の真似をして
室内では長い着物を着るようになって

江戸時代になって庶民も着物を着ることができるようになると
一般女子が武家女子なお姫様たちに憧れて

「私も長い着物ズリズリしたーい!」

と真似して長い着物を着るようになったものの

「動きづらいったらありゃしない!よっこいしょ!」

とはしょって着るようになって
おはしょりが生まれた。

というお話。

現代で言うと

イギリスのキャサリン妃のロイヤルウエディングに憧れて

「あんなウエディングドレス着たーい!」

とか

もっと身近な例だと

モデルが着ていた服を見て

「あの服可愛い!私もあの服着たい!」

と憧れる感覚に似ています。

その他に私が聞いた説は二つあって

一つは

女性より男性の方が跡取りとして重宝された武士の時代

男性はその時その時の身長に合わせて着物を仕立ててもらえたのに対して

女性は大きくなっても一枚の着物を長く着れるように、と

長めに仕立てておはしょりを作って来ていたというお話。

(時代劇などを見ると武家の女性もおはしょりはなく、その時その時の身長で仕立ててもらっていることが分かるので、庶民の話かな?と思いますが…。)

二つ目は

成人した女性の体の形は変わりやすい

つまり太ったり痩せたりしやすいし

妊娠してお腹が大きくなるから

おはしょりを作って調整できるようにしたというお話です。

この三つのどれが本当でもどれもどこか納得してしまうんですが

二つ目のお話は男尊女卑な感じがプンプンで

女性としてはしかめっ面したくなります。笑

私個人としては三つ目はものすごく説得力がありました。

女性ホルモンの影響で私たち女性は
体の形がしょっちゅう変わります。

生理前後で太ったり痩せたり。

だからこそおはしょりで調整できる着物はありがたい先人の知恵。だと思ってます。

洋服じゃ太った時は
サイズ大きめの服を買うしか手段ないですからね。泣

妊娠の時もそう。

妊娠してない時に着ていたワンピースを着ようものなら

お腹の分ワンピースの裾が上がってしまって
つんつるてんになってしまいます。

その分着物の場合は

おはしょりを下ろせば

不思議とちょうどいい長さで着れる。

物を大切にしていたからこそ出来た発想ですよね。

だから私はこの三つ目の説を
勝手に信じてます。笑

そんな裏話があることを知ると

着物の見る目が変わってきて
面白いかもしれませんね。

おはしょりを綺麗に処理する方法を知りたい方は
元着付け師のテクニックを
レッスンでお教えします(*^^*)

お気軽にご連絡くださいませ。

ABOUTこの記事をかいた人

1986年生まれ神奈川出身/元フォトスタジオ専属着付け師/趣味;映画、音楽、語学、旅行、手芸、ドライブ、カラオケ/好きなアーティスト;C&K、Superfly、Perfume/好きな言葉「笑う門には福来る」